【内容紹介】

【書籍紹介】坂井秀雄(1949-2022)という東洋医学の専門家の人生の物語。五人兄弟の末っ子の秀雄はサッカー漬けの高校時代を送る。3浪したが気がつくと自分のしたいことがなにかわからない。
そこでお金をためてヨーロッパを一年間自転車で放浪の旅に出た。その間に鈴木大拙の禅の本を読み、探している何かなんか自分の外にはないんだ、本当にしたいことは普通の暮らしの中、今ここにあるんだ、と気づく。帰国のときにはっきりと、自分は指圧で人に喜んでもらうのが好きだ、帰ったら指圧の勉強をしようと決意していた。
入学した東洋鍼灸専門学校には優れた教育者たちがいた。秀雄の理想の人生が始まった。鍼灸師となった秀雄は28歳で卒業後、すぐに東京都練馬区に「弘明堂」治療院を開業した。それから72歳で亡くなる日まで毎日、たんたんと秀雄は全身全霊で患者に向き合って過ごした。
秀雄の人生のもう一つの軸はシュタイナー教育だ。同志と東京都国立市にシュタイナー教育を礎にした自主学校「遊」を創設した。「遊」には、西川隆範先生などの優れたシュタイナーの専門家が集まり、シュタイナー教育の熱いシーンが展開した。24歳の秀雄が書いた「自転車放浪記」収録。 この本はシュタイナーのバイオグラフィーワークの考えをベースに、著者が聞き取りし書き上げました。坂井秀雄というすぐれた治療家がどのように生きて、どうやって「神の手」を持つようになったのかが、描かれています。坂井先生は謙虚で、お茶目な面もあって笑わせてもらえる、最高の人格者です。