【内容紹介】
木下 稔雅 (著)
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<著者紹介>
木下稔雅(きのした としまさ) 1957年生まれ。神奈川県横須賀市出身。職業は講師。学歴は,1981年3月 明治大学大学院 工学研究科 前期博士課程修了。2008年4月 電気通信大学大学院 情報システム研究科 後期博士課程入学,2011年4月 単位取得退学。ライフワークはAMIで,1978年より本山博博士の実験助手等を行う。本山博博士の指示にて小型AMIを開発(1995年~1999年)。職歴は,1981年4月 日本電気株式会社入社。ネットワークシステムの基本開発(システム,ハード,ソフト,LSI等の開発設計)とNE(ネットワークSE)に従事。NE職において,研究所向けクライアントサーバLANシステムの構築,及びロジスティック向けWANシステムの構築で社内賞受賞。1990年12月に同社を自主退職。1991年より専門学校を中心とした講師や執筆活動にて現在に至る。保有資格は,「第三種電気主任技術者」,「第一種電気工事士(試験合格)」,「第二種電気工事士」,「工事担任者 総合種」,その他各種ICT資格を保有。<内容紹介>
経絡とは、東洋医学の概念で、簡単に いえば「気」の通り道のことである。古来から、「気」は、未知なるものであり、西洋医学であつかう臓器のように、肉眼ではっきりとした形を、とらえられるものではなかった。
一方で、皮膚の電気反応から、経絡の存在や、東洋医学の臨床への応用は、半世紀以上研究されてきた。
その経絡測定を可能にする機械のひとつが、本書で、紹介する AMIという本山博考案のものである。AMIは、ひとことで言えば、3Vの直流電圧を指の先端に存在するといわれる井穴に負荷し、その反応として得られる電流値から経絡の状況をみていくものである。
筆者の木下は、工学者の立場から、このAMIの開発の歴史を文献や、古い資料などを丹念に収集し、まとめている。
本書には、測定波形、経絡反応を構成する4つのパラメーター、電気回路モデルの解説は、もとより、1970年代から製品化された各世代のAMIの特徴について、外観の写真による紹介、ブロック図、測定仕様についての細かい解説が、なされている。
もともとなぜこのような機器が、発案されたのかについての開発者の体験、経絡存在の証明のための過去の実験を図表を引用し、解説している箇所が、多数におよぶのは、AMIの原理を知る上で、参考になる。
紹介されている図表、写真は、50点以上におよび、関心のある研究者には、興味深い内容になるであろう。
本書の最後には、AMIを電源のないところでも使用できるように、AMIの電源回路を改変しモバイルバッテリーにて、動かせるようにした筆者独自のオリジナルなアイデアが、記述されている。 本書は、今後の経絡研究の礎となるものであり、この方面に関心ある専門家には、一読の価値のある大著である。