2018年3月31日、群萠のうた: 大地に生きる人びとの販売が開始されました。

中世初期、上野国佐貫庄という荘園が成立した。現在の群馬県邑楽郡(含館林市)の東部三分の二ほどの地域がそれにあたる。 十三世紀初め、この地に、浄土真宗の始祖とされる親鸞が滞在した。 
それからおおよそ六百年ののち、この地域は足尾銅山の鉱毒によって甚だしく荒廃した。人びとは食に糧なく、着るに衣なく、住むに居なく、病に薬なく、塗炭の苦痛を負わされた。 
親鸞の滞在地と、田中正造たちが駆け回ったのはまったく同一の土地であった。佐貫庄という砂塵を巻き上げる大地を横軸に、鎌倉の親鸞から、明治の正造にいたる、沙埃のごとく無名のひとびとの足跡をいささかここに記す。 
この物語の主人公は大地に生死する逞しき群萠である。

是非、お手に取ってくださいね!