内容紹介

グル ケルチャラン モハパトラ(1926-2004)、インド古典舞踊のオディッシーを復活させた主導者の一人。その人生の物語には、過去六十年間インド東部、オディシャ州で起きた数々の重要な出来事が織り込まれている。 修行時代から、2000年に受賞したパドマ ヴィブーシャン勲章まで、ケルチャランの芸術の旅は、より良いものへの終わりなき献身と探求だ。彼にとって舞踊とはサーダナ(修行)、教えることはダルマ(法)。恩師から受けたオディッシーの本質、情熱と詩情の奥義を弟子と分かち合う。素晴らしい踊り手、振り付け師、忍耐強い師匠、そして高潔な人間であったケルチャラン。叡智と気さくさが、希有な先見の明と子どものような純朴さを与えた。本書はケルチャランの人生と築き上げてきたオディッシー舞踊の発展を語ろうとする試みだ。と同時に、彼の天性が花開き、才能が解き放たれた時代の気配と、彼に完全に魅了された多くの人々の心を描こうとしている。